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自然(緑)の映像を見ると得られる効果は?論文の研究結果を元に解説

緑 見る 効果

日本含め、世界では森林浴・自然に関する研究が盛んに行われている昨今。

2018年に発表された最新の研究(1)では自然には素晴らしい健康効果があることが明らかになったそうで、日本が生んだ最強のストレス解消法とも囁かれています。

だからといって、都心に住んでいる方や身の回りに自然がない方が自然に触れ合うのは容易ではありませんし、自然は良い!とわかっていてもわざわざ足を運ぶのは面倒・・と感じる方も多いのではないでしょうか。

では、自然と間接的に触れ合うだけだと効果はないのでしょうか?

たとえば、

  • ディスプレイ越しに見る自然だと効果がないのでしょうか?
  • そもそもリアルな自然である必要があるのでしょうか?

今回はそんな疑問に答えてくれる研究データを2つご紹介します!

自然の映像を見るだけでも心理的・生理的な効果がある!

研究その1:自然の写真VS都会の写真

2009年にミシガン大学のスティーヴン・カプランらが行った研究(2)によると、自然の写真を見たらリラックス効果を感じることが得られたそうです。

~研究内容~

<被験者>

学生12名

 

<実験方法>

PANASとバックワードテストを実施し、以下2つのグループに分ける。

  1. 自然の写真を10分間見る
  2. 都会の写真を10分間見る

その後、再びバックワードテストと注意力テスト(ANT)、PANASを実施してもらう。

PANAS:気分を評価するための質問紙となります。肯定的・否定的な感情、満足感、幸福感、抑うつ感などの測定に使用します。

バックワードテスト:バックワードテストというのは数字を逆から数唱してもらい、ワーキングメモリの機能を測定するテスト

上記実験を行うと、以下のような結果が得られたそうです。

研究結果
  • 都会の写真よりも自然の写真を見たグループは注意ネットワークの実行機能が回復した
  • バックワードテストのパフォーマンスが改善した
  • リフレッシュ感や幸福感が向上していた

自然の写真が都会の写真には見られなかった変化が見られたわけですね。

つまり・・・

自然の写真を見ることで注意力と記憶力が向上、そしてメンタル・気分が改善した

ということです!

言われてみれば、綺麗な自然の写真を見てる時って心が落ち着いている感覚がありますよね。

特に神秘的な自然の映像を見るとワクワクしてつい行きたくなる方も多いのではないでしょうか。

研究その2:実物VSディスプレイ越しの観葉植物

先程の研究は写真を見た場合の話でしたが、他の研究ではディスプレイ越しの自然でもリラックス効果が得られる、という報告もあります。

そのエビデンスとなるのが、2015年に日本の森林浴研究の第一人者である宮崎良文氏らに行われた研究(3)。

~研究内容~

<被験者>

学生18名

 

<実験方法>

以下のグループに分けて、観葉植物(ドラセナ)を見てもらう。

  • フロアに置かれたドラセナを3分間見る
  • テレビに映し出されたドラセナを3分間見る
研究結果
  • ①②のグループともにほぼ同等のリラックス感・快適感を感じていた
  • ①のグループは自然感をわずかに感じていた
  • ②のグループは自然感をわずかに感じられなかった
つまり・・・

リアルの自然も映像の自然も体感的なリラックス効果は変わらない

ということですね。

もちろん、実物でしか得られない効果もあるでしょうし、宮崎良文氏が明らかにした「生体調整効果」によると森林セラピーの生理的なリラックス効果には個人差があるそうなので、

  1. 自然の映像を見る
  2. 観葉植物を室内に置く

といった流れであれば無理なく自然と触れ合う時間を増やせるかもしれません。

まとめ

自然(緑)の映像がもたらす効果について
  • 自然の映像・写真を見るだけでもリラックス効果は感じられる
  • 実物の観葉植物とディスプレイ越しに見る観葉植物でも効果に違いはない

ということで、皆さんも隙間時間や休憩時間にでも自然の映像に癒やされてみてはいかがでしょうか。

もしかすると日頃感じている仕事や人間関係のストレスが和らぐかもしれませんよ♪

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